直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
適用を受けようとする場合
本特例の適用を受けようとする場合には、「教育資金非課税申告書」を取扱金融機関の営業所等を経由して、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、非課税限度額までの金額は贈与税の課税価格に算入されません。
贈与税の申告書の提出は必要ありません。
年齢要件
本制度の贈与者については受贈者の直系尊属であればよく、年齢要件はありません。
学校等に支払われる教育資金とは
学校等に支払われる教育資金とは、学校等に直接支払われる入学金、授業料などのほか、教育充実費、遠足費、PTA会費、学級会費、生徒会費、学校の寮費、学用品の購入費など学校に直接支払われるものが含まれるが、下宿代については本制度の教育資金には該当しません。 学習塾など、学校等以外の者に支払われる金銭も5,000千円を上限に本制度の適用を受けることができるが、学校等に支払われる入学金、授業料などと合わせて15,000千円が上限となります。
すでに本特例を受けている場合
受贈者がすでに「教育資金非課税申告書」を提出して本特例を受けている場合でも、非課税限度額(受贈者一人につき1,500万円)に達するまでは、複数の直系尊属から追加で贈与を受けることができます。
この場合、「追加教育資金非課税申告書」を取扱金融機関の営業所等を経由して、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
信託の受益権を取得した場合
個人が、その直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得した場合等には、当該信託受益権等の価額のうち15,000千円までの金額に相当する部分の価額については、贈与額の課税価格に算入しません。 本制度の非課税の限度額は、受贈者ごとに15,000千円です。
金銭を預貯金として預け入れる場合
教育資金管理契約に基づき、金銭を預貯金として預け入れる場合には、書面による贈与によらなければなりません。
教育資金管理契約の終了
本特例の適用を受けて贈与により取得した財産は、贈与者が死亡した場合でも、教育資金管理契約が終了していなければ相続税の課税対象とはなりません。
なお、教育資金管理契約は以下の➀~➂の事由により終了し、➀または➂の事由により終了した場合には、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額が、贈与税の課税対象となります。
また、その残額に対して贈与税が課税された後3年以内に贈与者が死亡したときには、相続開始前3年以内の贈与財産の加算の適用があります。
➀受贈者が30歳に達したこと
➁受贈者が死亡したこと
➂教育資金管理契約に係る信託財産の価額がゼロとなった場合等において受贈者と取扱金融機関との間でこれらの教育資金管理契約を終了させる合意があったことによりその教育資金管理契約が終了したこと
受贈者が30歳に達したこと
教育資金管理契約は、受贈者が30歳に達した場合には終了し、当該教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、当該残額については、当該教育資金管理契約に係る受贈者の30歳に達した日の属する年の贈与税の課税価格に算入します。 なお、受贈者が教育資金を使い終えるまでに贈与者が死亡したとしても、その時点での課税はありません。
受贈者が死亡したこと
受贈者が死亡したことにより教育資金管理契約が終了した場合には、当該教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額については、贈与税の課税価格に算入しません。 受贈者である被相続人の相続財産になります。
信託財産の価額等がゼロとなった場合
教育資金管理契約に係る信託財産の価額等がゼロとなった場合において、受贈者と取扱金融機関との間で教育資金管理契約を終了させる合意があった場合には、その合意に基づき終了する日において教育資金管理契約は終了します。