おふじのCFPへの道ブログ

資格マニアのおふじがCFPを目指します

遺産分割協議

f:id:ofuji36:20190720072155j:plain
遺産分割協議

遺産分割協議書の様式

遺産分割協議書の様式については、法令で定められていませんが、遺産の分割についての相続人全員の合意した内容を明確にして、後日のトラブル防止のために作成されます。
また、不動産や預貯金、株式、自動車等の名義書換え、相続税の申告の添付書類として求められます。
なお、相続人全員の署名押印(実印)と印鑑証明が必要とされます。

遺産分割協議は一回だけ?

被相続人のすべての相続財産の取得者を一度の遺産分割協議で決めなければならないという規定はないので、遺産分割協議書が複数回にわたり作成されても構いません。
一部合意ができた財産についてのみ記載した遺産分割協議書は有効です。
残りの財産については、後日遺産分割を行うことができます。
相続財産の調査に時間がかかったり、相続税の納税資金の調達の目的等、一部の遺産のみ先行して分割することはよくあります。
もともと分割協議自体に期限はなく、分割できていないときは共同相続人の共有財産状態が続いているだけです。

法定相続分は絶対?

民法では法定相続分を定めていますが、遺産分割協議における法的相続分と異なる分割を禁止しているわけではなく、遺留分を侵害される相続人を含む共同相続人全員の合意があれば、特定の相続人の遺留分を侵害する結果となっても差し支えありません。
民法法定相続分はあくまでも目安です。
相続人全員が合意すればいかなる分け方であっても問題ありません。

代償分割

代償分割による代償債務の履行として、土地や株式など譲渡所得の基因となる資産を交付した場合には、その交付した者は、その資産を交付した時の時価により譲渡したものとされ、所得税の課税対象となります。

債務

遺産分割協議の対象となるものは被相続人の積極財産だけであり、被相続人の銀行借入金等の債務は、相続開始と同時に法定相続分に応じて共同相続人に分割承継されます。
ただし、共同相続人間の協議で定めた債務の承継者やその負担割合につき債務者の同意が得られた場合には、その内容で債権者に対抗できます。

遺産分割を禁止

被相続人は遺言により相続開始から5年を超えない期間を定めて、遺産分割を禁止することができます。
家庭裁判所への申請は必要ありません。

成立後に相続人、相続財産が出てきたら?

遺産分割協議は原則として相続人全員で行わなければならず、相続人の一部を除いて行われた遺産分割協議は無効です。

新たに相続人となった者がいる場合

遺産分割協議が成立した後に遺言書が発見され、その遺言による認知があり、新たに相続人となった者がいる場合、その者はすべての遺産についての遺産分割のやり直しを求めることはできず、相続分に応じた価額の支払いを請求できるにすぎません。

新たに財産が発見された場合

遺産分割協議が成立した後に新たに被相続人の財産が発見されても、遺産分割協議が当然に無効になるわけではなく、その財産だけを分割すればよいとされています。
ただし、発見された財産が重要なもので、もし初めからその財産の存在が分かっていれば、分割の仕方が大きく変わったはずという場合には、その遺産分割協議は無効となります。

遺産分割後いつまでも法律関係が不安定では社会生活が安定しないからです。

包括受遺者は?

包括遺贈とは

包括遺贈とは「全財産のうち、4分の1を遺贈する」というように、遺言により遺贈する財産の割合を指定するものです。

包括受遺者とは

包括遺贈により財産を取得する者を包括受遺者といいます。
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有することから、共同相続人が行う遺産分割協議にも包括受遺者を参加させなければなりません。

相続人が未成年者の場合

親が相続人でない場合

その未成年者の法定代理人として遺産分割協議を行うことができます。

親自身も相続人であるとき

未成年者と親の利益が相反するため、その親は、その未成年者のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません。

死亡保険金と遺産分割協議の関係

相続財産とみなされる死亡保険金は、保険金請求権が受取人にあるため受取人の固有財産であり、民法上の相続財産ではなく遺産分割協議の対象とはなりません。
そもそも遺産分割協議は、行き先の決まらない財産を分ける話し合いであり、保険金は受取人が確定しているため、協議する必要がないと言えます。

遺産分割協議が調わない場合は?

遺産分割協議が調わない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、調停が不成立の場合は審判により分割します。
家庭裁判所は、相続人の資格や遺産の範囲について争いがある等特別な事由がある場合に限り、審判により期間を定めて遺産分割を禁止することができます。
三者同士の事件とは異なり、遺産分割事件は、争いが解決した後も夫婦、親子、兄弟関係は続きます。
分割協議の結果が全てではないため、裁判でいきなり白黒を決めるのではなく、人間関係の調整を図りながら落とし所を話し合う調停から始めます。