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相続税および贈与税の連帯納付

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連帯納付

連帯納付の義務を負う場合

同一の被相続人から相続または遺贈により財産を取得したすべての者は、その相続または遺贈により受けた利益の価額を限度として、互いに連帯納付の義務を負います。

相続時精算課税により財産を取得した場合

相続時精算課税により財産を取得した場合には、その特定贈与者の相続開始時に相続または遺贈により財産を取得していなくても、他の共同相続人の相続税について連帯納付の義務を負います。

相続または遺贈により受けた利益の価額とは

相続または遺贈により受けた利益の価額とは、次の算式により計算した金額です。

相続または遺贈により取得した財産の価額(非課税財産を含む)-債務控除-相続または遺贈により取得した財産に係る相続税額および登録免許税

連帯納付の義務を負わない場合 

申告期限から5年を経過する日までに、税務署長から共同相続人に対して連帯納付責任の履行を求めようとする通知書が発せられない場合は、共同相続人は連帯納付の義務を負いません。

本来の納税義務者が延納の許可を受けた相続税については、他の共同相続人は連帯納付の義務を負いません。

連帯納付の義務を負う額 

贈与者が連帯納付の義務を負うのは、受贈者のその年分の贈与税額のうち、自己が贈与を受けた財産の割合に係る部分までです。
具体的には、以下の算式で計算されます。

 

受贈者のその年分の贈与税額×贈与財産の価額/贈与税の課税価格

 

 

 

所得税の準確定申告

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準確定申告

青色申告の承認

青色申告の承認は、不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う居住者に対して与えられるものであって、所得の種類ごとに承認されるものではありません。

相続人が以前から青色申告者であった場合、被相続人から引き継いだ事業が青色申告または白色申告のいずれであっても、すでに青色申告の承認を受けているため、被相続人から引き継いだ事業について、改めて承認申請を要しません。

準確定申告が必要なとき

所得税の準確定申告が必要となるのは、

所得税の確定申告書を提出すべき者が、その年の翌年1月1日から所得税の申告書の提出期限までにその申告書を提出しないで死亡した場合

➁居住者が年の中途において死亡した場合において、その者のその年分の所得税について確定申告書を提出しなければならない場合

に該当するときです。

いずれの場合もその者の相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月を経過した日の前日までに、その死亡した者に係る所得税の確定申告書を提出しなければなりません。

還付請求権 

還付請求権は、被相続人の生前中に潜在的な請求権が被相続人に帰属しており、これが被相続人の死亡によって顕在化したものです。

従って、これらの請求権に基づいて還付金を取得した場合は、相続税の課税対象となります。

なお、還付加算金は、相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので被相続人からの相続財産とは考えられないため、相続人の所得税の対象となります。

被相続人が死亡した場合 

被相続人は死亡により、自己の個人事業を廃業することになるため、被相続人被相続人に係る「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する必要があります。

被相続人の死亡した年分に係る所得税の準確定申告書は、その死亡した者の死亡時の納税地の所轄税務署長に提出します。

相続人が2人以上いるとき 

準確定申告書を提出する場合において、相続人が2人以上あるときは、当該申告書は、各相続人が連署による一の書面で提出しなければなりません。

ただし、他の相続人の氏名を付記して個別に提出することを妨げません。

 

 

 

 

相続財産が未分割である場合の取扱い

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相続財産未分割

配偶者の税額軽減

相続税の申告期限までに、財産の全部または一部が共同相続人間で分割されていない場合いには、その分割されていない財産については、配偶者の税額軽減の適用を受けることはできません。

ただし、その分割されていない財産が原則として申告期限から3年以内に分割された場合には、配偶者の税額軽減の適用を受けることができます。

期限までに負担額が確定していない場合

相続税について申告書を提出する場合等において、相続により取得した財産の全部または一部が共同相続人間でまだ分割されていないときは、その分割されていない財産については、相続税法上の法定相続人が法定相続分で取得したものとみなして計算した相続税の総額を各共同相続人が民法の規定による相続分(寄与分を除く)の割合に従ってその財産を取得したものとして納税額を計算します。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、相続税の申告期限までに共同相続人間で分割されていない特例対象宅地等については適用することができません。

ただし、その分割されていない特例対象宅地等が原則として申告期限から3年以内に分割されて場合で所定の要件を満たすときには、小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

非上場株式等

相続税の申告期限までに、非上場株式等の全部または一部が共同相続人間でまだ分割されていない場合においては、その分割されていない非上場株式等については、非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができません。

この制度は、計画的に事業を承継するために対策している中小企業を税制面で支援しようという特例です。

申告期限においても非上場株式等(自社株式等)が未分割であるということは、円滑な事業承継が望めないと判断できることから適当されません

物納は認められる?

相続財産が未分割の場合や遺留分減殺請求が行われている場合には、相続財産の所有権の帰属が確定していない状態にあり、このような財産は完治処分不適格財産に該当するため物納は認められません。

 

相続税の申告手続き等

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申告手続き

期限内に修正した申告書を提出した場合

相続税の期限内申告書を提出した者が、その申告書の提出期限内にその申告に係る課税価格または相続税額を修正した申告書を提出した場合、その修正した申告書は修正申告書ではなく、期限内申告書として取り扱われます。

申告期限内に複数の申告書が提出された場合は、一番最後の日付のものが最終的な期限内申告書となります。

提出期限

相続税の申告書を提出すべき者は、納税管理人の届出をした場合の相続税の申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。

日本国内に住所を有しないこととなる場合

一方、その提出期限前に、納税管理人の届出をしないで日本国内に住所および居所を有しないこととなる場合には、原則として、日本国内に住所および居所を有しないこととなる日までに申告書を提出しなければなりません。 

不足額がある場合 

納税申告書を提出した者は、その申告書の提出により納付すべきものとして記載した税額に不足額がある場合には、その申告について税務署長による更正があるまでは、その申告に係る税額を修正する修正申告書を税務署長に提出することができます。

更正の請求は、申告した税額が過大であった場合等の是正手続きです。  

過大であるとき 

申告書に記載した課税標準等もしくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったことまたは計算に誤りがあったことにより、納付すべき税額が過大であるときは、法定申告期限から5年以内に限り、税務署長に対し更正の請求をすることができます。

申告書を提出しないで死亡した場合

相続税の申告書を提出しなければならない者が、その提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その死亡した者の相続人は、その死亡した者に係る相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、その死亡した者に代わって相続税の申告書を提出しなければなりません。

提出期限後に遺言書が発見された場合 

新たに申告書を提出すべき要件に該当する場合

相続税の申告書の提出期限後において遺産に係る遺言書が発見されたため、新たに相続税の申告書を提出すべき要件に該当することとなった者は、期限後申告書を提出することができます。

相続税額に不足を生じた場合

相続税の申告書を提出した者は、その提出期限後に遺贈に係る遺言書が発見されたことにより、すでに確定した相続税額に不足を生じた場合には、修正申告書を提出することができます。

提出期限は定められていません。 

共同提出

同一の被相続人から相続または遺贈により財産を取得した者が複数おり、その申告書の提出先が同一である場合は、これらの者は申告書の共同提出を行うことができます。

 

 

相続税の物納

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物納

 物納の許可申請

物納の許可を申請しようとする者は、その物納を求めようとする相続税の納期限までに、または納付すべき日に、金銭で納付することを困難とする金額およびその困難とする事由、物納を求めようとする税額、物納に充てようとする財産の種類および価額その他の事項を記載した申請書に物納の手続きに必要な書類を添付し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

従って、申請期限の延長等の措置はありません。 なお、「物納手続関係書類」の提出期限は延長できます。

物納財産の収納価額

物納財産の収納価額は、課税価格計算の基礎となったその財産の価額によります。

小規模宅地等の特例の適用を受けた相続財産を物納した場合の収納価額は、その特例適用後の価額となります。

特定物納に係る財産の収納価額は、原則としてその特定物納申請書を提出した時の価額によります。 ただし、収納の時までに物納財産の状況に著しい変化が生じたときは収納時の価額によります。

超過物納

相続税額を超える価額の財産を物納して超過物納となったため、その超過物納部分が過誤納金として金銭により還付された場合には、その過誤納金に相当する部分については譲渡所得として、所得税の課税対象となります。 

暦年課税贈与財産

物納に充てることができる財産は、課税価格計算の基礎となった財産のうち一定のものとされますが、相続時精算課税制度の適用を受けた財産は除かれます。 一方、生前贈与加算の対象となった相続開始前3年以内の暦年課税贈与財産は、物納に充てることができます。

却下された場合

物納の再申請

物納申請した財産が管理処分不適格財産または物納劣後財産に該当するとして、物納申請が却下された場合には、その物納申請者は却下された日の翌日から20日以内に1回に限って、他の財産による物納の再申請を行うことができます。

利子税

物納申請が却下された場合または物納関係書類を期限までに提出しなかったことにより物納申請を取り下げたものとみなされた場合には、納期限または納付すべき日の翌日から物納申請の却下または取り下げたものとみなされた日までの期間については利子税を納付しなければなりません。

延滞税

物納申請者が物納申請を自ら取り下げた場合にはこの規定は適用されず、取下げに係る相続税の納期限または納付すべき日の翌日から相続税の完納の日までの期間について、利子税ではなく延滞税を納付しなければなりません。

「とりあえず物納しておいて資金のめどがついたら物納を取り下げて納付」ということを防止する意味であり、自ら取り下げることについてのペナルティとして延滞税を課します。 なお、平成30年は利子税は1.6%、延滞税は2ヵ月以内は2.6%、2ヵ月超ら8.9%です。

延納の申請

物納申請が、延納により金銭で納付することを困難とする事由がないと税務署長が認めたことにより却下された場合には、その物納申請者は、金銭により一時に納付することを困難とする金額を限度として延納の申請を行うことができます。

納付することが困難とする場合

物納は、延納によっても金銭で納付することが困難とする事由がある場合に、その納付を困難とする金額を限度として認められます。

相続税は、まず金銭による一括納付が可能な部分は金銭で一括納付し、次に延納により給付が可能な部分は延納により納付します。

最後に金銭による一括納付でも延納でも納付が困難な部分の金額を物納により納付します。

計算方法

納付すべき税額-(納税義務者の預貯金等の額-通常の生活費3月分と事業運転資金)=金銭で一時的に納付することが困難とする金額

共有の不動産

共有の不動産であっても、共有者全員がその不動産を物納申請する場合は、管理処分不適格財産とはならず、物納に充てることができます。

 

 

 

 

相続税の延納

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相続税の延納

相続税の延納は、期限内申告書、期限後申告書またはこれらの申告書に係る修正申告書により申告された相続税額もしくは更生または決定により納付すべき相続税額がそれぞれ100千円を超える場合で、次に掲げる要件を満たす必要があります。

延納の要件

・金銭で一時に納付することが困難であり、納付困難な金額を限度とする

相続税額が10万円超であること

・担保を提供すること(延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合を除く)

・申告期限までに延納申請書と担保提供関係書類を提出し、所轄税務署長の承認を得ること 

延納の金銭給付困難額

納付すべき税額ー(納税義務者の預貯金等の額ー通常の生活費3か月分と事業運転資金)=金銭で一時的に納付することが困難とする金額

担保 

相続税の延納を申請する場合には、原則としてその延納税額等に相当する担保を提供しなければならないが、延納税額が1,000千円以下でかつ、延納期間が3年以下である場合には、担保を提供する必要はありません。

利子税の割合 

延納税額に係る利子税の割合はは、相続人の相続税額の計算の基礎となった財産の価額の合計額のうちに占める不動産等の価額の割合によって異なっています。

変更

条件の変更 

延納の許可を受けた者が、資力の状況の変化等になり許可された延納の条件ではその履行が困難である場合などにおいて、分納期限が到来していない分納税額について、分納期限の延長や延納期限の延長など、延納条件の変更を求めることができます。

担保の変更 

税務署長は、延納の許可をする場合において、提供された担保が不適格であると認められるときは、担保の変更を求めることができます。

申請者が、変更を求める通知を受けた日の翌日から20日以内に変更に係る書類を提供しなかった場合には、税務署長は、その申請を却下することができます。 

延納期間の延長 

相続等で取得した財産のうちに不動産等の占める割合が50%以上で森林経営計画の区域内の立木の割合が20%以上の者のうち、長伐期施業を推進すべき森林等は延納期間が最高40年まで延長できます。

担保提供関係書類を提出することができない場合

延納申請期限までに延納に係る担保提供関係書類を提出することができない場合は、税務署長に「担保提供関係書類提出期限延長届出書」を提出することによって、1回につき3カ月を限度として、最長6カ月まで提出期限を延長できます。

担保として提供できる財産

相続税の延納の担保として提供できる財産は、国債および地方債など一定の種類の財産であり、相続または遺贈により取得した財産に限らず、相続人固有の財産や他の共同相続人または第三者が所有している所有している財産も含まれます。

担保の種類 

国税に関する法律の規定により提供される担保の種類は、国税通則法により定められており、またその見積価額も通達により示されており、国債はその額面金額、地方債は時価の8割以内において担保提供期間中に予想される価額変動を考慮した金額となっています。

相続税額が100千円を超える場合

延納は納付すべき相続税額が100千円を超える場合に、一定の条件の下に認められています。

この場合の相続税額が100千円を超えるかどうかは、期限内申告書、期限後申告書または修正申告書により申告された相続税額もしくは更正または決定により納付すべき相続税額のそれぞれについて各別に判定されます。

不動産等がある場合 

相続開始の年に被相続人から贈与を受けたため、贈与税の課税価格に加算されなかった財産のうちに不動産等がある場合、その不動産等の価額は、延納の要件に規定する「相続まては遺贈により取得した財産のうちの不動産等の価額」に含まれます。

延納期間 

相続税の延納期間は、その納税者の相続税額の計算の基礎となった財産の価額の合計額のうちに占める不動産等の価額の割合が一定割合以上である場合に、20年(立木等特別なものは40年)まで認められることがあります。

 

 

 

 

 

相次相続控除

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相次相続控除

相次相続控除とは

比較的短期間のうちに相続が続いた場合の相続税負担を軽減する趣旨で設けられました。

被相続人の相続開始前10年以内に開始した相続(第1次相続)において、その被相続人が財産(相続時精算課税制度の適用を受けた受贈財産を含む)を取得しているときは、その被相続人から相続または遺贈により財産を取得した相続人については、一定の算式により計算された金額を今回の相続(第2次相続)で算出された相続税額から控除します。 

相次相続控除の適用を受けることができない者

相次相続控除の適用対象者は相続人に限られるため、相続を放棄した者や相続権を失った者については、遺贈により財産を取得しても相次相続控除の適用を受けることができません。

限度額

相次相続控除額は、その者について算出した相続税額(相続税額の2割加算、贈与税額控除、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除までの規定を適用した後の金額)を限度とするため、その超える部分の金額について還付を受けることはできません。

税額控除は、原則として算出税額から控除するため、前段階で計算された税額を限度とします。

相続税額に含まれないもの

相次相続控除額の計算の基礎となる、第2次相続の被相続人が第1次相続の際に課せられた相続税額には、延滞税、利子税および各種加算税、その相続人が納税猶予を受けていた場合の免除された相続税額は含まれません。